結婚指輪に使われることが多い「プラチナ」は、白くピカピカとした輝きを放ち、ゴールドやダイヤモンドと並ぶ人気の素材です。ダイヤモンドと同じく頑丈な素材であり、光沢感もあることからマリッジリングやエンゲージリングに使われています。
鉱物としての価値が高いため宝飾品にはもちろん、自動車産業や工業製品にも用いられていますが、具体的にどのようなメリットや特徴を持っているのでしょうか。
この記事では、プラチナの特徴を踏まえてゴールドとの違いや指輪に適している理由を紹介します。
プラチナはどんな金属?
プラチナは「白金(しろがね)」とも呼ばれ、金・銀・パラジウムなどを含むレアメタル8元素の一種です。銀色と白色の中間、銀白色の輝きが特徴で、光に当たると白く見えるため結婚指輪の素材として人気があります。
金属としての特徴は以下のとおりです。【プラチナの4つの特徴】
- ビッカース硬度は最大で110Hv
- 熱に強く耐久性にすぐれている
- 酸化しにくく錆びに強い安定性
- 工業製品にも多く利用されている
プラチナはゴールドと同じく貴重な金属資源であり、宝飾品以外では自動車製品や工業製品にも使用されています。耐久性が高く、金属の硬さを示す指標「ビッカース硬度」では、100Hv程度の硬さをほこる鉄や銅にも劣らない110Hvまで硬度を高めることが出来ます。
銀(シルバー)よりも酸化しにくいため、金属アレルギーを引き起こしにくいこともメリットです。歯科医院では被せ物、詰め物の素材としても使用されており、人体との親和性の高さもメリットといえるでしょう。
ダイヤモンドを引き立てる銀白色の輝きと素材としての強さが注目され、結婚指輪や婚約指輪ではアーム・ショルダー部分に使用されています。
プラチナの「Pt」の後ろにつく数字の意味
純プラチナのインゴット表面、またはプラチナ製品の説明書きには「Pt」という文字と数字が組み合わされて書かれています。この刻印はプラチナの純度を表しており、以下の6段階に分けられます。
読み方 | 表記 | 意味 |
---|---|---|
プラチナ1000 | 999.5 PLATINUM | 純度99.9%以上の純プラチナ (純プラチナ・ピーセンとも呼ばれる) |
プラチナ950 | Pt950 Pm950 | 95%以上プラチナを含んでいる |
プラチナ900 | pt900 Pm900 | 90%以上プラチナを含んでいる |
プラチナ850 | Pt850 Pm850 | 85%以上プラチナを含んでいる |
純度不一定 | 白金・正白金・PM・Pm | 85%よりもプラチナの配合率が低い |
Pt100 | 10%程度の含有量・プラチナではない |
プラチナは一般的に85%以上の含有量で「プラチナ」と呼ぶことが出来ます。したがって、Pt850以下の物は「純度不一定」であり、単に「白金」と呼ばれています。
プラチナ1000は純度99.9%以上の純プラチナを指しますが、製錬の際に他の金属がごくわずかに混ざってしまうため、100%のプラチナの塊を作ることは出来ません。そのため、近年では1000ではなくあえてプラチナ999(Pt999)と表記し、99.9%の含有率を正確に表記しているケースが増えてきています。
純度を示すアルファベットは、プラチナ(PLATINUM)のPが取られます。日本を含むアジアでは「Pt」と、大文字+小文字で書かれている物が多く、アメリカなどでは「PT」「PLAT」と全て大文字で表記されています。
「P/S」という表記のものもみられますが、これは「プラチナ・シルバー」の頭文字を取って、両方の金属が含有されているという意味を表しています。
プラチナとゴールドの違い
プラチナとゴールドは、どちらも高級な宝飾品に使用される素材です。それぞれの違いを示すと、以下のようになります。
素材 | プラチナ | ゴールド |
---|---|---|
希少性 | 希少性が高い | 希少性が高い |
色 | 銀白色 | 黄金色 |
硬さ | 硬い | 柔らかい |
変色のしやすさ | 変色しにくい | 変色しにくい |
価格の変動 | 価格が変動しやすい | 価格が変動しにくい |
素材の用途 | 宝飾品以外にも用いられる | 用途が限られやすい |
硬さについては、純金のビッカース硬度は熱処理を加えても50Hv程度に留まる一方、プラチナは110Hvと鉄や銅と同程度の硬さにまで高めることが出来ます。変色がしにくく、耐久性が高いため宝飾品以外にも利用されています。
プラチナが結婚指輪や婚約指輪に適している理由
ここからは、プラチナが結婚指輪や婚約指輪に適している理由について詳しくみていきましょう。
銀白色の輝きが魅力的
結婚式は古くから「白」のイメージが定着しており、純真無垢な色味として知られています。
純白のドレスとタキシードは新郎新婦にのみ許される色ですが、手元を飾る結婚指輪も白で統一したいという方には、グレーに近いシルバーや黄色味が強いゴールドよりもプラチナ素材が適しています。
頑丈で変形しにくい
プラチナは、鉄や銅と同じように硬く耐久性があります。指輪のアームやショルダー部分に使うことで、万が一何かに指輪をぶつけてしまっても割れや欠けが発生しにくく、毎日指輪を身に着けたい場合に適しています。
手に入れやすい価格帯
結婚指輪に使われるプラチナはPt900〜950が一般的です。同程度の純度のゴールドを指輪にあしらう場合、更に高価になってしまうためリーズナブルなプラチナが選ばれる傾向にあります。
プラチナ製の結婚指輪・婚約指輪の注意点
次に、プラチナ製の結婚指輪・婚約指輪の注意点についても詳しくみていきましょう。
強い衝撃を与えない
プラチナは高熱や酸に強いため、結婚指輪や婚約指輪として日常的に身に着けることが出来ます。
一方で純度の高いプラチナほど展延性(てんえんせい)にすぐれており、強い衝撃が加わると変形をきたす恐れがあり、手元が何かにぶつかるようなシーンでは指輪を外すか、手袋などを着けておくと良いでしょう。
他の石や素材にも注意
プラチナ自体は頑丈な素材ですが、割れやすい宝石や変色しやすい素材が同じ指輪に使われている場合は注意が必要です。
プラチナが頑丈だからといって同じ使い方をしないように、割れや欠け、変色や変質に注意が必要です。
汚れはこまめに取り除く
プラチナは他の金属と同じように、汚れが蓄積してくると色が変わってきます。
頻繁にプラチナの指輪を身に着ける方は、週に1度(または最低でも月に1度)中性洗剤をぬるま湯に垂らし、アクセサリーを浸け置き洗いしてください。
普段の生活の中でも皮脂汚れやホコリ・チリ・花粉などが付着するため、柔らかい布を使って目につく汚れを取り除くことをオススメします。
プラチナ素材を結婚指輪に取り入れる
今回は、プラチナの特徴や取り扱い上の注意点について紹介しました。結婚式で使用される結婚指輪は、新郎新婦の衣装の色であるホワイトカラーに合わせて、銀白色の輝きを放つプラチナ素材が多く用いられています。
プラチナとダイヤモンドは定番の組み合わせであり、永遠の硬い誓いを表すダイヤモンドと、同じく濁りのない純白の色合いを放つプラチナは非常に相性が良い素材です。
「最高のダイヤモンド」を「最高のデザイン」で仕立てるモニッケンダム・ロンドンでは、生涯の思い出となる結婚式や入籍にあわせて、エンゲージリングやマリッジリングを豊富にラインナップしています。
ダイヤモンドを結婚指輪にあしらおうと考えている方は、高品質のプラチナ素材と共に、心を満たす1本を仕立ててみてはいかがでしょうか。