美しい輝きを特徴としたダイヤモンドは、「宝石の王様」と呼ばれています。
実は、ダイヤモンドの原石はあまり輝いていないということを、皆さんはご存じでしょうか。
ダイヤモンドの原石はどういったものなのか、どのような種類があるのか、どのような加工法があるのか、についてご紹介していきます。
ダイヤモンドの原石はどんなものなのか?
ダイヤモンドの原石は、火山の噴火や地層の変動などにより、約200キロ下の地中で、炭素に高熱と高圧が加わることで作られます。
採掘されたばかりの原石は、白っぽい色合いをしていて、店頭に並ぶダイヤモンドのような輝きは放っていません。
よく、大器晩成型の人を「あの人はダイヤの原石だ。磨けば光るに違いない」と言うことがありますが、「ダイヤの原石」にはこういった事例が由来となっています。
ダイヤモンドの原石に洗練された加工を施すことで、はじめて美しい輝きを放つようになるのです。
ダイヤモンドの原石の種類はどんなものがあるのか?
ダイヤモンドのカットや、色・輝きはそれぞれ異なりますが、原石の形もいくつかの種類があります。
代表的なダイヤモンドの原石をご紹介します。
ソーヤブル
「ソーヤブル」は、主にロシアやアフリカなどで採掘される原石です。
薄い緑色かつ正八面体になっているのが特徴で、原石の中では、最も高品質で希少だと言われています。
加工がしやすいのが特徴ですが、研磨を施してルース(裸石)にするためには多く削らなければなりません。そのためサイズが小さくなりやすく、大きなサイズのソーヤブルは希少性が高くなるため、価値も非常に高いものになっています。
メイカブル
さきほどのソーヤブルが最も希少な原石だと言われていますが、それに次いで希少な原石が「メイカブル」です。
ソーヤブルが正八面体になっていることが多いのに対して、メイカブルは形があまり整っていません。
研磨方法が限定されてくるため、原石ごとに最適な加工を施す必要があります。
ソーヤブルほど希少ではありませんが、美しい輝きから、高い人気を得ています。
ニアージェム
「宝石に近い」と呼ばれる品質を「ニアージェム」と呼びます。
ソーヤブル・メイカブルよりも品質は大きく落ちてしまいますが、上記よりも安価な為、多く流通しています。
リーズナブルなアクセサリーに使われていることが多いので、価格を重視する際にはおすすめだと言えるでしょう。
ダイヤモンドはどのように加工されるのか?
輝きを放つために、ダイヤモンドがどのように加工されるのかをご紹介します。
ダイヤモンドを加工する方法はいくつかありますが、一番シンプルな方法として、同じ硬度のダイヤモンドを利用する加工法があります。
この方法は、ダイヤモンドの原石の結晶面に応じて熟練された技術が必要になり、円盤の上に粉末状のダイヤモンドを付着させ研磨します。
ただ、最近では、ダイヤモンドの加工は「レーザー加工」が増えてきています。
ダイヤモンドにレーザーを局所的に照射すると、炭酸ガスとなって消滅する性質を利用してダイヤモンドの形を作るのが、レーザー加工です。
こちらのレーザーにもいくつか種類があるのですが、主にYAGレーザーと呼ばれるレーザーが活用されており、ダイヤモンドに穴をあけたり、ダイヤモンドを切断するなど、高い汎用性があるのが特徴です。
ダイヤモンドにこだわる際のおすすめ
ダイヤモンドの原石や、ダイヤモンドがどのように加工されるのかをご紹介しましたが、いかがでしたか。
普段、何気なく目にするダイヤモンドですが、原石の種類がいくつか存在し、カットの方法、不純物の有無などで、輝き方が異なってきます。
一生に一度の大切な贈り物として、他の人と差をつけるアイテムとして…など、用途やシチュエーションは様々ですが、それぞれのケースに応じて、最適なものを選ぶようにしましょう。
まずは実際に店舗を訪れて確認してみるのが良いでしょう。